2011年度インドネシア現地調査概要

スマトラ島リアウ州の概要

 スマトラ島は、赤道に沿って東西5,000kmにわたり広がるインドネシアの最も西側に位置する島です。リアウ州はスマトラ島の中央部に位置しており、面積はちょうど北海道と四国を合わせたほど(9万4,562平方キロメートル)です。1980年代以降、内陸の低地林・低湿地林を中心にアブラヤシ農園や紙・パルプ用植林地を造成するための開発が進められてきました。

 リアウ州は、石油、天然ガス、石炭をはじめ、金やアルミニウムなどの鉱物資源、そして木材資源が豊富に存在する地域です。これらの資源に多くの海外企業が注目、特に石油資源を目当てに投資に乗り出す企業が出始めました。外資導入により道路整備が進んだことで森林伐採が加速し、天然林の破壊が進みました。そうした森林伐採の跡地に植えられたのがアブラヤシでした。

 WWFインドネシアのデータによれば、1980年代初頭はリアウ州にアブラヤシ農園はほとんどありませんでしたが、1996年には51万ヘクタール、2001年には111万ヘクタールと急速に拡大しました。リアウ州の現地NGO(Perkumpulan Elang)によると、2011年9月現在、アブラヤシ農園面積は270万ヘクタールにまで拡大しているとのことです。

アブラヤシ農園の経営形態

 インドネシアにおけるアブラヤシ農園は、経営体制によって大きく以下の三つに分類することができます。

 企業が主体となって管理する農園

リアウ州に存在するアブラヤシ農園は、国営企業であるPTPNV(PT. Perkebunan Nusantara Lima)を除けばすべて民間企業によるものです。2011年9月現在で、企業が主体となって管理するアブラヤシ農園の割合は約65%であると見積もられています。

企業と地域住民が共同で管理する農園

地域経済の発展を目的として1980年代に政府により導入されたシステムで、PIR(中核・衛星農園)と呼ばれています。企業が直接管理を行う中核農園と搾油工場の周辺に、一世帯あたり2~3ヘクタールの衛星農園が割り当てられます。衛星農園の造成にあたっては企業からの技術的・財政的支援の下で行われます。アブラヤシが収穫可能となった段階で農園は住民に引き渡され、それ以降は住民が主体となって管理します。

 スモールホルダーによる農園

民間企業や行政による支援を受けずに管理されている農園です。近年の世界的なパーム油の需要増加を背景に、地域住民や移住してきた人々がアブラヤシの生産を独自に始めるケースも増えています。

土地紛争の背景

リアウ州では、アブラヤシ農園の開発を巡る土地紛争が各地で起きています。背景要因としては、地域住民による慣習的な権利が政府、企業によって認識されていないことが挙げられます。インドネシアの法律では、森林地域は国の所有物であると規定されているため、地域住民が昔から利用してきた森林地域であっても法的な権利は保障されていません。

調査時期:2011/09