サバ州と同州のアブラヤシ農園に関する概要

ボルネオ島の北西部に位置するサバ州は、面積7万6,000平方キロメートル(北海道とほぼ同じ)に東南アジア最高峰のキナバル山(4,095メートル)を擁し、世界で最も豊かで多様な生態系を有すると言われる地域です。

新経済メカニズム(NEM)の導入以降、ラオスでは産業用伐採が急速に広まり、1988年には木材製品が国の総輸出量の半数以上を占めるまでに至りました。
ラオスの森林面積は約1,250万ヘクタール、国土のおよそ52%を占めています。同国の森林法律上、「生産林(Production Forest Areas)」「保全林(National Conservation Forest Areas)」「保護林(Protection Forest Areas)」の三つに区分され、この生産林のうち「荒廃林」と指定された場所にのみプランテーションの造成ができることになっています。

サバ州のパーム原油(Crude Palm Oil:CPO)の生産量は年間540万トンに達し、ヘクタール当りの収量も21.4トンと国内で最も高い水準にあります。パーム油産業が同州のGDPに占める割合は2009年時点で23%(760億リンギット)となっており、同州にとってパーム農園及びその関連産業は、経済的に極めて重要な位置を占めています。

同州のアブラヤシ農園は、州の東部サンダカン、ラハダツ、タワウ周辺に特に集中しており、この一帯は「パーム・オイル・ベルト」と呼ばれています。サンダカンとラハダツには、パーム油の加工を行うパーム油工業団地(Palm Oil Industrial Cruster:POIC)が建設され、より付加価値の高い製品の生産を行う方向へ発展しようとしており、将来的にはインドネシアやパプアニューギニアなど海外からの輸入原料の加工も視野に入っています。


サバ州のアブラヤシ農園分布

アブラヤシ農園による環境影響としては、

・農園への転換による天然林の減少
・野生動植物の生息地の減少・分断化
・土地造成による土壌流出と農薬・化学肥料による水質汚染
・水質汚染による河川の水生生物への影響
・河川を通じた海洋汚染

などが一般的に挙げられます。

サバ州での調査内容

サバ州での調査は、主にアブラヤシ農園の開拓・経営における環境・社会面での優良事例(グッド・プラクティス)とは何かを探ることを目的に行いました。熱帯林への影響を考える際、最も重要なのはアブラヤシ農園の新規開拓を抑制することです。既存の農園が持続的に効率良く生産を行えない場合、これが新規開拓への圧力となる可能性があるため、既存の農園における経営の安定性や農園自体の持続可能性についても、調査の対象としました。

調査時期:2011/09