紙を使う企業として「リスクある紙」を避ける

リスクある紙を「購入停止」し、紙の調達・利用を転換する

レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)の働きかけで、紙の消費側の企業として、ティファニー、ヴァレンチノ、グッチ、H&M、カルチェ、VW、ダイムラー・ベンツが、2009年にAPP社やAPRIL社の紙については購入停止をしています。ディズニー社も紙の調達及び利用をより責任ある方向へ転換する方針を2012年に発表して、全世界での実施作業に取り組んでいます。

コピー用紙において、このような問題のある紙を避けるためには、APP社やAPRIL社の紙が、どのような名前で販売されているかを確認しておく必要があります。でなければ、無自覚に購入してしまうかもしれないからです。特に、APP社は、他社の商品として販売されているものが多いので、注意が必要です。

APP社の紙を購入し、自社ブランドとして販売し続けている企業としては、アスクル、コクヨ、カウネット、キョクトウ、プラス(ジョインテックスカンパニー)などの企業があります。ほかにも、B5、ロックモント、ワンステップといったインターネット販売の企業なども販売していると考えられます。APP社は、2013年2月以降、森林保全宣言を行って改善に取り組んでいますが、その進捗は不透明なままの状態であり、独立した第三者監査を経るまでは、購入を控えることが得策です。

APRIL社の紙は、「ペーパーワン」、「Copy&Laser」というブランド名で販売されています。これらの紙は、量販店やディスカウントストア、ホームセンターでも大量に販売されています。APRIL社からも新たな約束として「持続可能な森林管理政策」が発表されましたが、2020年まで天然林伐採が可能となっており、不十分なものと判断されているのが現状です。

これらのコピー用紙について、販売している企業からは、植林木パルプを利用していて環境配慮しているなどという誤った宣伝をしているので、騙されないようにしなければなりません。

《問題企業APRIL社のコピー用紙》

■APRIL社 ペーパーワン、コピー&レーザー

《問題企業APP社のコピー用紙》

■APP社 エクセルプロ、ワイドプロ、アクアホワイトなど
■アスクル スーパーエコノミー、スーパーホワイト、エコノミーカラーペーパー
■コクヨS&T コピー用紙[PPC-WAA3C他]、PCCカラー用紙[KPC-CA4-1~16]
■カウネット マルチ高白色タイプ、スタンダードタイプ、スタンダード高白色タイプ、スタンダードカラーペーパー
■キョクトウ・アソシエイツ プレミアム・ホワイト、プレミアム・ナチュラル、インダ・ホワイト
■B5 ナチュラルホワイト、カラーペーパー
■ロックモント スーパーエコー、パールエコー、パールエコー高白色、白箱良品
■ワンステップ スーパーエコー、キラットカラーコピー
■プラス ジョインテックスカンパニー インドネシア産Smart Valueコピー用紙
■フォーレスト Forestway コピーペーパー インドネシア製

十分な環境社会配慮を確認できる調達方針を持ち実行する

調達方針においては、紙の消費を全体として減らすといったことに加え、使う必要がある場合に推奨できる紙として、古紙100%再生紙やFSC認証の紙を「選択」することが重要です。これらを利用する調達方針をニコンなどでは策定しています。また、WWFが推進する「持続可能な紙利用のためのコンソーシアム」などの活動に、味の素、キリン、ソニー、三井住友信託銀行など加わって、活動を行っています。

これらの調達方針は、コピー用紙のみならず、各社が作成しているパンフレットやチラシ、広告やカタログなどにも適用していくことが必要です。なぜなら、これらの問題のある原料はコピー用紙のみならず、印刷用紙やトイレットペーパー、ノートなど様々な商品に広がってきているからです。

信頼できる認証紙を選択する

注意しなければならないのは、FSC認証紙に並んで国際的な認証制度であるPEFC認証紙です。PEFC認証については、各国の認証レベルの格差が大きいので、例えばAFS(Australia Forestry Standard)といったオーストラリアの認証制度では十分な環境配慮がなされていないものも含まれています。また、PEFC認証紙の製造過程においては、問題のある出所(Controversial sources)は排除することになっていますが、その規定範囲は限定的なので、企業の調達方針として利用するには不十分と考えられます。また、グリーン購入法に適合している紙は、少なくとも古紙を70%利用しているはずですが、それ以外の原料については十分な確認が取れているものではありません。つまり、グリーン購入法適合だけでは、環境社会的な影響への配慮としては不十分なのが現状です。さらにAPP社も古紙配合率70%の紙を生産していますが、その「古紙」の多くは、市中から回収した本来の古紙ではなく、「損紙」と呼ばれる紙製造事業者等の工場内で出てくる紙が含まれていたとのことです。また、残りの30%には上記と同様に十分な確認が取れているわけではない紙です。

古紙を利用する場合には、上記のような十分な確認がとれていない原料を含まない古紙100%再生紙を選ぶ必要があります。また、古紙以外の木材を利用して作成されるパルプをバージンパルプと呼びますが、これを利用する場合には、FSC認証された紙を利用することが必要です。ただ、FSC認証紙の中には、希に古紙を含むものもあり、これらも比較的リスクは少ないと考えられます。

こうしたことから、これらの商品を中心に利用を進めるとともに、十分な確認が得られるまでは、APP社やAPRIL社のリスクの高い紙を利用しないような調達を進めていくことが重要な取組になってきます。これら以外の紙については、一概に評価を行うことは困難なので、個別に評価を行う必要があるといえるでしょう。

関連する記事