同じ動きを繰り返したり、動かずにじっとしたりしている動物をこれまでに見たことがあるでしょうか?このような行動は動物にとってはまったく良いことはなく、むしろ悪い影響があります。通常であれば、檻の中にいる動物はこのような異常な行動を取ってしまいやすいのです。通常の行動や自然の行動から外れるような行動のことを言います。このような行動はステレオタイプ(常道行動)と呼ばれます。

それではどのようにしてこのステレオタイプが表れるのでしょうか?これらの行動は、物理的な環境、社会的な環境または扱いが悪かったことが要因となり現れます。狭い移動空間しかない檻であったり、自然の環境とは大幅に違った状況など、充実さに乏しい環境である場合です。一方で、一つの檻の中にいる個体同士の関係性が悪いことが社会的な要因になることもあります。そして、もしその動物が過去に人間から酷い扱いを受けたなど悪い過去を持つ場合、ステレオタイプが表れることがあります。

前、後ろ、左、右へと繰り返す動作や、同じ場所にじっとしているのはステレオタイプの一例です。同じ場所で繰り返し回っているのもそうです。繰り返し行われる動作パターン以外にも、ステレオタイプによる他の行為もあります。自傷行為であったり、訳もなく頭を振ったり、執拗に自分の体を舐めたり、あるいは掻きむしったり、自分の排泄物や吐しゃ物を食べたり、さらには異常な性行為などさまざまです。

リアン・ウィナルディ氏によれば、檻の中にいる動物のステレオタイプを最小限に抑えるためにはいくつかの方法があります。その方法は、檻の中に充実さを与えることです。この充実さとは、身体的なもの、栄養的なもの、そして作業などさまざまな形があります。身体の充実さとは、動物が登るためのハンモックや木を与えることです。栄養の充実さとは、果物や野菜を切らずに本来の姿のままで与えることです。そして作業の充実さは、特殊なパイプやボールに入れて食べ物を与えるようなことです。

原文はこちら(英語/インドネシア語)
http://orangutanprotection.com/2018/09/sterotipe-satwa/

訳:熱帯林行動ネットワーク