子どもたちの成長を観察していると日々驚くことばかりです。子どもたちは年齢や周囲からの刺激により成長していきます。昨日までは一人で遊ぶことが好きだったとしても、次の日には友達たちと遊ぶ方が好きになることだってあります。これはオランウータンの子どもでも同じです。

4歳のオランウータンであるハッピは、去年飼育員たちのアイドルになりました。当時「森の学校」にはハッピより年上のオランウータンもいましたが、まだ巣をつくることができるオランウータンはいませんでした。そんな中、ハッピの巣をつくる才能には飼育員たちを驚かせました。ハッピは十分な巣をつくることができる本能を持っていたということです。ボンティはひそかにそれを観察して、巣のつくり方を真似しています。今ではより大きく頑丈な巣をつくれるようになりましたが、その一方でハッピがボンティの巣をそのまま占領しています。

ボンティが先にハッピからつくり方を学んでいましたが、今ではハッピがボンティから学んでいます。ボンティはハッピより1歳年上の5歳です。もし彼らが母親と一緒にいるなら、もちろん今よりもはるかに独立していたでしょう。母親は最も優れた先生なのです。オランウータンは母親と子どもの関係が非常に近い生き物です。通常6〜8歳まで母親と一緒にいます。その間、母親は子どもから離れることはなく、別のオスに会うこともありません。これがオランウータンの繁殖がとても遅い理由なのです。

原文はこちら(英語/インドネシア語)
http://orangutanprotection.com/2018/12/happi-merebut-sarang-bonti/

訳:熱帯林行動ネットワーク