バンテン州の津波で被害を受けた動物たちを救う

2018年12月22日の夜にスンダ海峡の海岸を津波が襲いました。情報によれば、この津波により430人が死亡、1,495人が負傷、159人が行方不明、21,991人が避難を余儀なくされました。人道支援が行われている中、救助チームはウミガメたちが閉じ込められているのを発見し、これらのウミガメを救助しました。アニマル・ウォーリアーは現在、影響を受けた動物たちを救助するために海岸と瓦礫の中を捜索しています。

アニマル・ウォーリアーとは、Animals IndonesiaとCentre for Orangutan Protectionによる共同チームであり、これまでスラウェシ島パルで起きた地震・津波をはじめ、バリ島アグン山、北スマトラのシナブン山、ジャワ島のクルド山やムラピ山などの噴火、アチェ州の地震など災害が起きた際に被災地に駆けつけています。この共同チームは、被害を受けた動物たちを救助・保護するだけでなく、もともとの飼い主のもとに戻すこともあります。また、死んでしまった動物たちの処置も行います。

2018年12月27日、火山地質災害センター(PVMBG)はアナック・クラカタウ山の警戒レベルをレベル2からレベル3に引き上げました。共同チームは今後起きる可能性のある災害にも気を付けながら、より広い範囲にわたって捜索できるよう取り組んでいます。

原文はこちら(インドネシア語)
http://orangutanprotection.com/2018/12/tolong-satwa-tsunami-banten/

訳:熱帯林行動ネットワーク

エイプ・ガーディアンによるパトロール活動

東カリマンタン州にあるレサン川保護林(HLSL)を探索しながらのパトロールは、森を守るための情熱と仲間との団結を必要とします。エイプ・ガーディアンのレンジャーたちは朝4時から起床して準備を始めます。自分の足だけを頼りに、オランウータンの巣や食糧、他の野生動物などを見つけたときは簡単なメモとともにGPSに座標を入力しつつ森の中を歩きます。パトロール中は気を抜くことはありません。

レンジャーたちはそれぞれ10kmもの道のりを歩きます。すべてが平坦の道ばかりではありません。いくつかの丘陵を越えるとご褒美として平坦な道が現れることがありますが、その後にはまた岩場や小川が待ち構えています。木々からぶら下がっているトゲや皮膚に触れるとひどい痒みを引き起こす葉っぱなどにも、パトロールを実施するレンジャーは気をつけなければなりません。足の指の間で血を吸いながら一緒についてくる可愛いヤツも旅の仲間に加わります。もし挑戦することが好きであれば・・・ですが、レンジャーとしての旅は忘れられない経験になるでしょう。

疲れた体を包む森の静けさは、昼食後の眠りを誘います。たとえ枯葉と石ころを敷いただけでも、しばらく目を閉じてしまうでしょう。もちろん、いまそこにある瞬間を撮影するために起きてカメラを構える者がいます。レンジャーたちが眠っている間も例外ではありません。

原文はこちら(インドネシア語)
http://orangutanprotection.com/2018/12/ape-guardian-terlepap-saat-patroli/

訳:熱帯林行動ネットワーク

ボンティの巣を占領するハッピ

子どもたちの成長を観察していると日々驚くことばかりです。子どもたちは年齢や周囲からの刺激により成長していきます。昨日までは一人で遊ぶことが好きだったとしても、次の日には友達たちと遊ぶ方が好きになることだってあります。これはオランウータンの子どもでも同じです。

4歳のオランウータンであるハッピは、去年飼育員たちのアイドルになりました。当時「森の学校」にはハッピより年上のオランウータンもいましたが、まだ巣をつくることができるオランウータンはいませんでした。そんな中、ハッピの巣をつくる才能には飼育員たちを驚かせました。ハッピは十分な巣をつくることができる本能を持っていたということです。ボンティはひそかにそれを観察して、巣のつくり方を真似しています。今ではより大きく頑丈な巣をつくれるようになりましたが、その一方でハッピがボンティの巣をそのまま占領しています。

ボンティが先にハッピからつくり方を学んでいましたが、今ではハッピがボンティから学んでいます。ボンティはハッピより1歳年上の5歳です。もし彼らが母親と一緒にいるなら、もちろん今よりもはるかに独立していたでしょう。母親は最も優れた先生なのです。オランウータンは母親と子どもの関係が非常に近い生き物です。通常6〜8歳まで母親と一緒にいます。その間、母親は子どもから離れることはなく、別のオスに会うこともありません。これがオランウータンの繁殖がとても遅い理由なのです。

原文はこちら(英語/インドネシア語)
http://orangutanprotection.com/2018/12/happi-merebut-sarang-bonti/

訳:熱帯林行動ネットワーク

ルチとノヴィ、故郷に戻り幸せのハグを交わす

東カリマンタン州、ブラウにあるレサン川流域の保護林に今年放たれる予定の4頭のオランウータンの医療関係の検査と受け入れ過程がようやく終わり、オランウータンのルチとノヴィは2018年11月3日に森に放たれました。これは2017年のオキの野生復帰に続きCOPでリハビリテーションを受けたオランウータンの野生復帰の二例目となります。

「彼らがジャングルにすんなり入っていくか戻ってきて人を襲うかは判断できません。なので檻に近づかないでください。」エイプ・ガーディアンチームのリーダーのレザ・クルニアワンはオランウータンを放つ直前に、檻から20mほどの距離にあるCOPの列の後ろに並んでいた人々に注意を促しました。ルチとノヴィが戻ってきて人々に危害を与えないかが心配されたのです。しかしB2P2EHDのリーダーのサエロジ・アフマド氏とCOPのリーダーのハルディ・バクチャントロによって最初の檻が開かれるなりルチはジャングルに駆け出し、木に登りブラ下がりました。それから間もなくして自然資源保護局(BKSDA)のリーダーのスナンダール・トリグナジャサ氏とハルディ・バクチャントロによってノヴィの入った二つ目の檻が開けられ、ノヴィは森に向かって歩き出しました。

それからすぐに樹上から音がしました。ルチとノヴィが樹上で再会していたのです!彼らは木にぶら下がりながら互いに抱き合い握手しているようでした。まるで彼らのふるさとに戻れたことを喜んでいるかのように。おかえりなさいルチ、ノヴィ。あなたたちが二人ともいつまでも健康で幸せでいられますように。

原文はこちら(英語/インドネシア語)
http://orangutanprotection.com/2018/11/back-home-leci-and-novi-happily-hug-each-other/

訳:熱帯林行動ネットワーク

ルチとノヴィと過ごす最後の時間

11月の初めの週が終わりとても安心しています。ノヴィとルチの野生へのリリースに先駆けて、ルサン・ダヤック村の集会所で一連の儀式が執り行われました。モニタリングチームがこの2頭のオランウータンを追跡する時間を確保できるよう、この儀式の時間を早めてくれた生物多様性保全局長インドラ氏には非常に感謝しています。「インドラ氏はこちらの事情を本当に理解してくれています。オランウータンのケージの扉を開け後、どこに行ったとしても彼らが新たなすみかでやっていけることを確かめるために追跡しなければなりません。」とエイプ・ガーディアンのキャプテン、レザ・クルニアワンは言います。

午前11時、森の奥深くに進みリリースする場所まで到着しました。5秒もしないうちにルチは木の上に登り、チームから離れていきます。その後、すぐにノヴィのケージの扉も開けられました。それから5時間ほど、ノヴィとルチの行動を記録しましたが、2頭は一緒に鳴き声を発していました。

午後4時には、モニタリングチームはノヴィとルチを見失いました。「2頭のオランウータンはどちらも野生のようなものなので、追跡するのは簡単ではありません。動きが速いのでとても追いかけることができません」と地元の森林レンジャーとして長い経験を持つビット氏は話します。

リリース後、モニタリングチームは毎日、朝と夕方にルートを変えながら、2頭のオランウータンに出会えることを期待しつつパトロールを実施していますが、2週間が経過したいまも会うことができていません。

原文はこちら(英語/インドネシア語)
http://orangutanprotection.com/2018/11/dalam-waktu-5-jam-leci-dan-novi-pun-hilang/

訳:熱帯林行動ネットワーク

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