お知らせ

パーム油の調達と環境社会配慮に関するアンケート調査結果(2016年)

 

2016年に実施しました「パーム油の調達と環境社会配慮に関するアンケート調査」ではTCGF(The Consumer Goods Forum)に加盟の企業、並びにインスタント食品、お菓子、食料品販売、パン、マーガリン製造、外食産業を中心にアンケートを送付させていただきました。

これまでインスタント食品、お菓子、食料品販売、パン・マーガリン、外食サービス企業に関しましては、アンケート結果をもとにパーム油問題への取り組み状況をすごろくに見立てて公表させていただきました。

 

上記業種以外のアンケート結果(商社、日用品・油脂・調味料関連、飲料・食品メーカー)を以下に公表させていただきます。

アンケートにご協力いただいた企業の皆様ありがとうございました。

またアンケートの実施から発表までにお時間がかかりましたことをお詫び申し上げます。

 

【商社会社の対応状況】

【商社会社の対応状況(PDF):524KB】

商社_2016-1

アンケートを送付した6社の商社は全社から回答をいただくことができ、業界全体の取り組み状態が把握できる結果となりました。三菱商事は2004年に日本の企業として最初のRSPO会員になった企業で、商社の中では一番取り組みが進んでいる結果になりました。

そのすぐ後を追うのが伊藤忠商事です。熱帯林リスク産品生産に対処する「森林減少ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ(NDPE)」を実現するためにも森林破壊ゼロ、人権尊重を目指し取り組んでいただきたいと思います。

丸紅も調達方針をお持ちのようですが、残念ながらまだ非公開とのことですのでぜひ公開して頂きたいと思います。

商社全社が何らかの方法で生産地までのルート確認を行っているようですので、次のステップとして調達方針の策定し責任ある調達を進めていただくことを期待したいと思います。

 

【日用品・油脂・調味料関連会社の対応状況】

【日用品・油脂・調味料関連会社の対応状況(PDF):661KB】

日・油・調_2016-1

 

生活雑貨や化粧品を製造している企業、加工油脂や植物油を製造する企業、そして調味料の製造を行っている企業のまとめ結果です。

食用加工油脂とはマーガリンやショートニング、ラードなどが含まれます。油脂業界はアンケートを送付した8社のうちすべての企業からお返事をいただくことが出来ました。その中でも最も取り組みが進んでいるのは不二製油です。2016年3月に「責任あるパーム油調達方針」を策定し、花王と共にRSPO認証を超えて、「森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、人権尊重を進める」と明記されています。不二製油に続くのはJオイルミルズとミヨシ油脂です。両社ともパーム油の調達方針はお持ちのようですが、残念ながらまだ公開されていらっしゃらないようです。さらにその後を追うのが、カネカ、日油、月島食品工業となっており調達方針策定まであと一歩のところです。日清オイリオとADEKAは生産地までのルート確認が出来ていないとのことですので、調達先の状況を確認し次へ進んでいただきたいと思います。油脂業界は扱う製品の原料上、回答率は非常に高いですが、調達方針を策定している企業がまだ少なく、その対応はまちまちです。

化粧品や生活雑貨、洗剤等の日用品を製造している企業さんの中では花王が進んだ取り組みをしています。花王は前述にもありますが、「原材料調達ガイドライン」の中で森林破壊ゼロを宣言し、また花王人権方針では強制労働や児童労働の禁止、先住民族の権利尊重のために「自由意志による、事前の、十分な情報に基づいた同意」(FPIC)等の人権に関する国際規範を尊重すると明記しています。 ライオンは「持続可能なパーム油の調達を目指して」を記載され、問題認識をされていることは伝わってきますが、生物多様性についての懸念表明がある一方で、森林破壊ゼロなどの文言は見られません。ユニ・チャームは「森林由来の原材料調達ガイドライン」の中で森林減少ゼロや労働者や先住民の人権についても触れられています。

また「Eco Plan 2020」持続可能な原料調達の中で2020年までに100%持続可能な認証材への切り替えを目指していらっしゃるそうです。 資生堂はRSPOに加盟され、パーム油課題への取り組みがウェブサイトでも触れられています。さらなるステップアップを目指していただきたいと思います。食品業界に比べ石鹸業界は早くからパーム油に対しての対策を講じてきたこともあり、回答率が高く、比較的取り組みを進めている企業が多い印象です。

調味料企業の中で最も取り組みが進んでいるのは味の素です。味の素についてはインスタント食品企業会社編で取り上げておりますので、そちらをご覧ください。味の素に続くのが鰹節やめんつゆを製造しているヤマキです。RSPO認証油についてはご存知ですので、自社が調達しているパーム油がどこから来ているものなのか確認をし、調達方針を定めて取り組みを進めていっていただけたらと思います。その後に続くのがエバラ食品工業です。パーム油についての問題を把握し、一部ですが生産地までのルート確認をされ、RSPO認証油に関しても検討中とのことです。ただ残念ながら森林破壊ゼロや企業による人権尊重の責務についてこのアンケート時点ではまだ認識されていなかったようで、パーム油の問題認識止まりになってしまっています。ミツカンと宝ホールディングからはパーム油の利用はしていないとのお答えでした。

その他の企業からは残念ながらお返事はいただけませんでした。

パーム油問題への取り組みでは、食品業界と比較すると洗剤や石鹸を含む日用品業界と油脂業界の認識や対応が進んでいるようです。

 

【飲料・食品メーカー会社の対応状況】

【飲料・食品メーカー会社の対応状況(PDF):656KB】 飲料・食品_2016-1

 

飲料・食品メーカーからは大手飲料メーカーからのご回答が目立ちました。この中でトップだったのはアサヒグループです。「アサヒグループ調達基本方針」の中にパーム油についての記載がありますが、調達方針としては不十分ですので、今後具体的な行動計画や取り組みが実施されることを期待したいと思います。キリンは2013年に発表された「持続可能な生物資源調達ガイドライン」の中でパーム油の調達について触れられていますが、残念ながら生産地の特定がなされていないようです。サッポロHDも問題への認識は進んでいるようですので、次は改善に向けた行動にぜひ取り組んでいただきたいと思います。サントリーHD、ハラダ製茶はパーム油の利用はないとのお答えでした。その他の飲料、食品メーカーから残念ながらお返事はありませんでした。ご回答が非常に少なかったのはパーム油の問題がまだまだ認知されていないことの表れかもしれません。

 

※なお、今回の対応状況は送付させていただいたアンケートへの回答に基づいています。よって回答内容が実際の状況と合致しているのかどうかについては、当方では確認しているわけではありませんので、ご了承ください。今後の情報収集により変更すべきと判断した場合には修正をさせていただく場合もあります。