食料品販売会社のパーム油問題への対応状況

 

「パーム油問題への対応すごろく」は、各社のパーム油問題への対応状況を、競馬に見立ててすごろく風に示したものです。対応状況の内容は、各社からのアンケート結果に基づいています。

ゼッケン番号は食料品販売会社を含めたグループ会社全体での売上高の高い順となっており、ゼッケン番号が小さい企業ほど、それだけグループ会社全体として多くの売上がある会社ということです。

この対応すごろくのスタートラインは、企業としてパーム油を購入する上での一定の基準を示した方針=調達方針を公表しているかどうかに設定しています。その基準には、森林破壊や人権侵害などの環境問題や社会問題を引き起こしていないことや、プランテーション開発等において違法性のないもの、認証制度に合致したものなど様々なものが含まれます。
さあ、リードしているのはどこでしょう?
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【対応状況を印刷用PDFで見る:4.23MB】

総評:食料品販売会社も自社調達のパーム油に取り組みを

食料品販売会社でも、会社として独自の商品を企画して、製造は他の会社に委託して販売している場合があります。このアンケートでは、そうした「プライベート・ブランド(PB)」と呼ばれる商品について、食料品販売会社に聞いてみました。
今回パーム油問題への対応が最も進んでいるのは生協のコープみらい(ゼッケン15番)さん、生活クラブ生協(26番)さん、無印良品でおなじみの良品計画(19番)さんでした。いずれの会社もパーム油の調達方針はお持ちでないためスタートラインまであと一歩の位置にいます。そして、これら3社に続くのが日本生活協同組合連合会(18番)さんです。その後をシー・ジー・シー(8番)さん、さらにその後を関西地方中心に業務展開するイズミヤ(7番)さんが続いています。各社が問題の把握、認識から具体的な対策行動へとステップアップしていくことを期待したいですね。ユニー(9番)さん、ユーコープ(22番)さんはパーム油の利用はないとのご回答でした。
イオン(ゼッケン1番)さんに関してはアンケートを送付した昨年時点では利用しているパーム油の産地を把握されておらず、表記通りの結果でしたが、今年4月に「イオン持続可能な調達方針」及び「持続可能な調達2020年目標」を発表しパーム油については森林破壊防止や生物多様性に配慮した調達に努めること、プライベートブランドはRSPO等認証油原料の100%利用を目指すとしています。2017年版のアンケートも行いますので、その発表にて反映できればと思います。ただ、残念ながら現状では、たとえRSPO認証油が100%であっても、天然林を転換して開発することは可能ですので、森林破壊防止や生物多様性に配慮した調達が実現できない状況です。
セブンイレブン(2番)さんとセブン&アイホールディングさんはセブンイレブンさんがパーム油の使用はなしと回答、セブン&アイHDが回答なしだったため、“スタート前”にお馬さんの足がかかった状態、ファミリーマート(5番)さんとみやぎ生活協同組合(25番)さんはパーム油問題への認識はありますが、パーム油を使用した自社製品が把握出来ていないとのことで残念ながら“スタート前”の前の位置にいます。
その他の企業さんからは残念ながらご回答はいただけませんでした。
販売業という業種ですが、まずは自社ブランドとして取り扱う商品についての原料、生産地の追及は必要であり、現状を把握し持続可能な責任ある調達を実現するために調達方針の策定や枠組みづくりが重要になってくるのではないでしょうか。

皆さんも、食料品販売会社に応援メッセージを送ってみましょう!

 

「パーム油が何に入っているか知りたい」に賛同いただいた皆さんの多くは、おそらく企業にメールを送付したことはないと思います。自分一人がメールを送付したところで、大企業は全く意に介さないのではないかと思うかもしれません。しかし、お客さまからの応援や激励のメッセージやお願いメッセージは、少人数であったとしても、企業にとっては実は非常に大きな影響力があるようです。お客様窓口に問い合わせをしたことで、一斉に問い合わせに沿った対応がされたこともあったそうです。

さあ、皆さんも、問い合わせをしてみましょう。
各社への応援メッセージはこちらから→各社への応援はこちらからどうぞ。
※なお、今回の対応状況すごろくは送付させていただいたアンケートへの回答に基づいています。よって回答内容が実際の状況と合致しているのかどうかについては、当方では確認しているわけではありませんので、ご了承ください。今後の情報収集により変更すべきと判断した場合には修正をさせていただく場合もあります。

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