ザエナブさんは手の痛みを和らげるために胸の高さまで上げています。その手は腫れているように見えます。津波が来たときにヌラヤン地域のタリセ海岸から逃げてきたときに怪我をしてしまったようです。彼女の家は、津波の襲撃を逃れた数少ない家の一つとなりました。

地震が起きたとき、ザエナブさんは家にいつも集まってくる猫たちの無事を確認するために家に戻りました。しかし猫たちを探す時間はありませんでした。逃げているときに転んでしまい、避難所に着いたときに手の痛みを感じたそうです。

ザエナブさんはパルに住む他の女性たちのように、庭に集まってくる猫たちを確認するために家に戻りました。それは、パルのシンボルである黄色い橋の近くタリセ海岸にいたアナさんも同じです。アナさんは意識が戻ったときには避難所にいました。“私は死んでしまったのか…”おぼろげに猫の鳴き声が聞こえてきて、まだ生きていることに気づいたそうです。“猫の鳴き声がだんだんはっきりと大きく聞こえてくる。そしてこっちに近づいてくるのを見て、まだ生きているとわかった。”とアナさんは言います。

アナさんは現在、周りにいる猫たちのお世話をしています。これから忙しくなるでしょうと語りました。タリセ海岸を襲った地震と津波は、パルの人々の家や生活の場をすべて破壊してしまいました。いったい何千の人々が離れ離れになってしまったのでしょうか。現在、彼らは希望のかけらを集めるために奮闘しています。

原文はこちら(英語/インドネシア語)
http://orangutanprotection.com/2018/10/zaenab-dari-rumah-nelayan-pantai-talise/

訳:熱帯林行動ネットワーク