自然の中にいると人生がより豊かになります。インドネシアのさまざまな観光地でも野外活動が増えているようです。身の回りにあるものを使った伝統的な遊びを挙げてみてください。ココナッツの殻、竹馬、割れた石、縄跳びなどを使って歩くなどさまざまです。ではオランウータンはどうでしょう?オランウータンの遊びの世界は、人間と同じでしょうか?

豪雨により洪水が起きた時に一本のココヤシの木が流されていました。その後、一週間そのままの状態でしたが、プレリリースアイランド(野生に復帰する前のオランウータンが過ごす場所)にいたはずのウントゥンとウニルが姿を消しました。捜索を続けたところ、流されたココヤシの木のところにいるのが見つかりました。ココヤシの木だけではなく、たくさんの大きな木がプレリリースアイランドの端に漂着していました。2頭のオランウータンはそこで何をしていたのでしょうか?

彼らはその木にぶら下がって遊んでいたのです。何度も出たり入ったりを繰り返し、さらに何度も見回りチームを追い払うために出たり入ったりを繰り返しました。最終的には、この2頭のオランウータンをその場所で遊べなくするために木を切ることにしました。なぜチームはここまでのことをしたのでしょうか?4日間にわたり、見回りのチームが餌を持っていっても近づくことすらしなかったからです。ウントゥンは食べ物を目にも留めなかったので、そのことを心配したのです。

しかし実際には…ココヤシの木はココナッツで一杯だったようです。食べ物はそこら中に溢れており、ウントゥンはこのような新たな発見にとても興味を持ったようです。見回りチームは他の木の幹にもココナッツの殻を見つけました。おそらく漂着した多くのココナッツがあったのでしょう。「ウントゥンは怒ってチームの呼びかけに応じなくなるでしょう。食事の時間になっても巣から出てきません。それでもよいのです。来月には本当の住むべき場所に帰るのだから。森に帰ったらその怒りも治まるでしょう。」とリハビリセンターのコーディネーターであるダニエルは言いました。

原文はこちら(インドネシア語)
http://orangutanprotection.com/2019/01/kenapa-dengan-untung/

訳:熱帯林行動ネットワーク