真ん中が僕takaです。インドネシアの仲間と一枚!
マレーシアとインドネシアには隠れた観光スポットがたくさん!
はじめまして。『環境のお兄さん』ことtakaです!
僕はNGO職員として、熱帯林保全のための活動を日々行っています。
過去6年間でこれまで20回以上、現地調査のためインドネシアやマレーシアを訪問してきました。
今回は海外旅行でインドネシアやマレーシアに行ってみたいという人に向けて、僕がNGOの活動を通して知った、現地の魅力や裏事情をタップリとお伝えしようと思います!
インドネシアとマレーシアは自然豊かなリゾートが多い!
ボルネオ島は3つの国から構成されています!
インドネシアでは新婚旅行やサーフィンでお馴染みのバリ島、マレーシアでは東南アジア屈指の大都市クアラルンプールなど、インドネシアやマレーシアは日本人にも人気の観光スポットとして知られています。
そんな中、僕イチオシの場所は『ボルネオ島』です!
『ボルネオ島』はグリーンランド、パプア島に次いで世界で三番目に大きな島で、インドネシア、マレーシア、ブルネイの三つの国で構成されています。ちなみにインドネシアでは、このボルネオ島は『カリマンタン』と呼ばれています。
成田空港からだとボルネオ島の入り口として有名なビーチリゾート『コタキナバル』までは距離にして約4,000km。およそ7時間で到着するので、少し長めの休暇があれば十分に楽しむことができます。
サテのピーナッツソースが意外とクセになる!
他にも色んな美味しい料理があります!
現地に到着して僕が最初に食べるのは、大好物の『サテ(串焼き)』と決めています!
一般的な『サテ』は特製ピーナッツソースのかかった鶏の串焼きですが、他にも牛肉やヤギ肉などを使ったものもあります。もちろんサテ以外にも、さまざまな美味しい料理が各地にあります。
これらの料理は日本でも食べることができますが、やっぱり現地の味が一番です!
高級コーヒーのコピ・ルアック。
彼らがジャコウネコ。どうみても猫じゃない・・・
また、インドネシアといえばコーヒーの産地としても世界的に有名です。
コーヒー豆の『マンデリン』や『トラジャ』などの原産地で、世界一高価なコーヒーとして知られる『コピ・ルアック』は日本で飲むと1杯数千円(!)もするようです。
『コピ・ルアック』はジャコウネコのフンから取り出したコーヒー豆を使った(!?)う○ちコーヒーです!しかし実際に飲んでみると、この製法からは想像できないくらい癖がなく上品な味わいです。観光記念に一杯いかがでしょうか?
余談ですが、インドネシアのコーヒーは入れ方が少し違います。コーヒーの粉をカップに直接入れお湯を注ぎ、粉が沈むのを待ってから飲みます。甘いものが大好きなインドネシア人はそこに山盛りの砂糖を2~3杯入れます。
インドネシアやマレーシアは、島ごとに独自の生態系を抱えており、さまざまな珍しい動物を見ることができます。特にボルネオは生物多様性の宝庫とされています。その一例を紹介します。
・ボルネオゾウ
アジアゾウの中で最も小さく、穏やかな性格。ボルネオ島の一部にのみ生息し、そのルーツは謎に包まれているとか。
・スマトラトラ
世界最小のトラで、最も大きなアムールトラの半分の大きさです。野生にはあと400頭と言われています。
・サイチョウ
木の実を食べて種を運ぶ、森の種まき屋さん。生涯同じパートナーと連れ添うと言われています。新婚旅行で見ると、ご利益があるかも。
・オランウータン
「森(ウータン)の人(オラン)」と言われ、一生のほとんどを樹上で過ごします。群れを作らず、単独か母子で生活します。
皆さんはどんな動物が好きですか?僕はこの中では特にオランウータンが好きです。
オランウータンの赤ちゃんを実際に見てみましょう。
人間の赤ちゃんみたいで可愛いですよね!
それもそのはず、オランウータンはチンパンジー、ゴリラに次いで3番目に人間に近い猿人類と言われているからです。
オランウータンの寿命は50~60年。生まれてから8年間ほど母親と生活を共にし、15~16年ほどで大人になります。
つまり、人間の赤ちゃんが高校生になるまでの時間と、オランウータンが身体的に大人になるまでの時間は同じです。
そんなところも人間にソックリですね!
さて、豊かな自然に恵まれた動物たちですが、その多くが絶滅の危機に瀕しています。
いったい何故でしょうか?オランウータンを例に挙げてみましょう。
オランウータンは、 年々見れなくなってきているという。
オランウータンは20世紀の頭には合計32万頭が野生に生息していたと推定されていますが、2004年時点では、ボルネオオランウータンが5万4000頭、スマトラオランウータンに至っては6500頭にまで減少しています。
なぜ多くのオランウータンがその数を減らしているのでしょうか?
その主な理由は『パーム油』という油の生産にあります。
これがアブラヤシの実。
オランウータン減少の理由の1つと言われている。
アブラヤシの実から採れる『パーム油』は、主にインドネシアとマレーシアでつくられています。『パーム油』は、チョコレートやカップ麺、スナック菓子、石けんなど私たちの身の回りにあるさまざまな製品に使われていますが、その多くは『植物油脂』と表示されているため『見えない油』とも言われています。
『パーム油』を効率的に生産するために、広大な面積の森林を切り開いてアブラヤシ農園がつくられます。アブラヤシ農園の開発は、現在インドネシアとマレーシアでの森林減少の最も大きな原因とも言われています。
過去20年間に九州1個分の森林が伐採され、オランウータンのすみかが無くなった。
パーム油はチョコレートやスナック菓子、カップ麺に形を変えて日本の食卓に並ぶ。
森林をすみかとしていたオランウータンは別の森に引っ越しを余儀なくされてしまいますが、住む場所がどんどん減っているので、餌を探すことができなくなってしまいます。そのようなオランウータンが、アブラヤシ農園に出てきて若い苗を食べてしまうことで、害獣として殺されたり、捕まえられて違法に売買されたりするケースが後を絶ちません。
捕獲されてしまったオランウータン。場合によっては殺されてしまう事もある。
記事に書いた『パーム油』について分かりやすく解説したサイトです。
『パーム油』についてもっと詳しく知りたい方はこちらのサイトをご覧下さい。
オランウータンを守りたい。何か僕にできることはないか。
そう思っていた矢先、仕事を通じて、ボルネオ島でオランウータンの救助・保護活動を行っている『COP(Centre for Orangutan Protection)』という団体と出会いました。彼らの活動について知るために、現地に訪問して代表のハルディさんにお話を聞いてきました。
ボルネオの急速に拡大するアブラヤシ農園開発により、オランウータンの生息地となる森林はいまなお減少し続けています。窮地に追い込まれているオランウータンを守るためには、思いだけではなく具体的なアクションが必要です。このような危機に立ち向かうべく、代表ハルディ氏が2007年にCOPを設立しました。
COPの仲間たち
若者が中心となって活動を行っている。
COPではそれぞれ役割の異なる4つのチームを編成して、オランウータンが抱える問題の解決に向けて取り組んでいます。
救助されたオランウータンたち
傷ついたオランウータンを救助するために、ピックアップトラックとともにボルネオの大地を奔走する「エイプ・ガーディアン」と「エイプ・クルセイダー」。トラックの中で寝泊まりすることもしばしば。2016年には、政府や住民たちと連携しながら合計20頭のオランウータンを救助しました。
リハビリセンターに保護されているオランウータン
リハビリセンターでオランウータンの野生復帰に向けた保護を担う「エイプ・ディフェンダー」。緑に囲まれた施設を拠点に、9人のスタッフが20頭のオランウータンと毎日を共に過ごしています。2016年には2頭のオランウータンが再び野生に旅立ちました。
COPが小学校でオランウータンの講義を行った際の一枚
オランウータンの生息地となる森林で違法なアブラヤシ農園開発を行っている企業への働きかけや、教育活動を行う「エイプ・ウォーリアー」。チャリティーフェスや美術展、現地の小中高生を対象とした勉強会や大学生以上を対象とした集中講義の開催など、さまざまな場を通じて問題の普及啓発を行っています。
指を怪我したオランウータン
リハビリセンターで野生復帰の訓練を受けている
2016年9月、生後数ヶ月のオランウータンの赤ちゃんがアブラヤシ農園で救出されました。育児放棄するオランウータンはいないため、母親は何らかの原因で死亡してしまったと考えられます。その後、このオランウータンはポピー(POPI)と名付けられ、現在24時間体制の下リハビリセンターで保護されています。
親を失ったオランウータンの赤ちゃんの生存率は極めて低いものの、幸運にもポピーちゃんはCOPのスタッフの尽力により生き延びることができました。しかし、インドネシアではこのようなケースばかりではなく、開発により森林が失われることにより多くのオランウータンが殺されたり、餓死してしまったりしています。
一頭でも多くのオランウータンを救助したい。
そのような思いから始まったCOPの活動ですが、リハビリセンターの維持管理やオランウータン飼育により資金が切迫している状況です。
・ボルネオ島には自然豊かな観光地と珍しい動物がいっぱい。
・現在オランウータンをはじめとした多くの動物が絶滅の危機に瀕している。
・大規模なアブラヤシ農園などの開発により森林が失われている。
・このアブラヤシからつくられる油『パーム油』は、世界中の食卓に並んでいる。
・オランウータンを守るために必死に活動を行う『COP』のような団体がある。
調査後、BBQに誘われました。
現地調査を終え、滞在最後の夜に『COP』のスタッフがBBQパーティーを開いてくれました。普段は真面目にオランウータンの世話や調査をしている彼らも、この時ばかりは普通の若者たちでした。
ロウソクの明かりの中、『COP』のメンバーと語り合いながら、現場で地に足をつけて活動を行っている彼らの熱意に触れて、たかだか数週間現地を訪問するだけの自分に何ができるんだろう、という焦りのような感情が込み上げてきました。同時に、彼らのこの思いを日本でも多くの人々に伝えたいと思いました。
インターネットを通じて簡単に物事を調べることのできるこの時代、多くのことを知ったつもりになる感覚に陥ることがありますが、実際に触れて感じることの大切さを今回の現地調査を通じて改めて認識しました。
taka
大学時代に東南アジア現地ツアーに参加したことがきっかけで、NGOの活動に参加。現在は、インドネシア・スマトラ島を中心に年に数回の現地調査を行っている。現地の人々との交流とサテの食べ歩きが一番の楽しみであるが、胃腸が弱いためか、旅先では頻繁に体調を崩してしまうことが最近の悩み。