パーム油関連各社の対応状況(2025年実績版)
企業格付けは、プランテーション・ウォッチが各社のパーム油問題への対応状況を評価したものです。
評価の内容は、2016年より実施しているアンケート調査に基づいており、プランテーション・ウォッチ独自の基準により企業の取組状況を比較したものです。日本のパーム油利用の8割を占めている食品業界を中心に、それぞれの業界における売上上位の企業を対象としています。
2026年1月に実施したアンケート調査では、77社に送付し、38社(全体の49%)から回答が得られました。このうち、プランテーション・ウォッチが企業に求めてきたNDPE方針を公表していると回答した企業は、昨年から5社増えて21社(全体の27%)でした。また、ミルリスト(搾油工場リスト)を公表していると回答した企業は、昨年から1社増えて13社(全体の17%)でした。
以下より、8つの業界(お菓子会社、インスタント食品会社、食料品販売会社、パン会社、外食サービス会社、日用品会社、油脂会社、総合商社 )ごとの企業格付けをご覧いただけます。
*また、RSPOに加盟する日本のパーム油使用量トップ20社とその評価は以下をご覧ください。

総評
以下は、2025年度にアンケート調査の対象とした77社に占める、それぞれの評価の内訳です。もっとも高いA-評価を取得したのが1社、B+評価が2社、B評価が6社、B-評価が12社、C評価が10社、D評価が7社という結果でした。39社(51%)からは回答がありませんでした。
この評価の中で、B-評価の「NDPE方針の採用」とB評価の「ミルリスト(搾油工場)の公表」は、パーム油の生産国での問題に対処するために特に重要であると考えています。私たちとしては、RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)をはじめとする認証制度に頼るだけでは、パーム油の生産国で起きている環境・社会問題に十分に対応することができないと考えているためです。RSPO認証油であっても、認証油のほとんどを占めるマス・バランス(Mass Balance)方式では、独立した第三者による確認がされていないリスクのあるパーム油が混入するリスクがあります。そのため、パーム油の調達におけるNDPE(森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ)を明記した調達方針を策定し、搾油工場や農園までのサプライチェーンを開示した上で、NGOを含むより広範囲な情報収集を通じて生産国でのリスクを特定・対処することが重要であると考えています。サプライチェーンの確認は、自社が調達・利用しているパーム油が現地での問題に関与しているかどうか特定するために必要不可欠です。
業界別に見ると、特に油脂、総合商社、お菓子、インスタント食品が全体として取り組みを進めていることが見てとれます。その一方で、これまでと同様に、食料品販売、パン、外食サービスについてはアンケート調査への回答率が低く(それぞれ11社中2社、8社中1社、8社中3社)、パーム油の環境社会問題に対する意識の低さを露呈する結果となりました。
評価方法について
プランテーション・ウォッチが定めた評価基準にもとづき、A〜Dまでのアルファベットでそれぞれの企業の進捗状況をスコアリングしています。それぞれの評価基準には段階を設けており、到達しているところまでの基準を最終的な評価としています。例えば、B+の基準を満たしていたとしても、Bの基準を満たしていなければ最終的な評価(到達点)はB-評価となります。
評価方法については、基本的には企業からの回答をそのまま採用していますが、私たちが重要であると考えている項目については、いただいた回答をもとにプランテーション・ウォッチとして判断しております。例えば、NDPE方針に関する問5.3については「明記されているものを選択してください」という質問であるため、企業の調達方針の中に「環境や人権に配慮する」などの表現ではなく、「森林破壊、泥炭湿地、強制労働・児童労働、先住民族の権利」などが明記されている場合にのみ基準を満たしていると判断させていただきました。また、問5.6「是正措置の要求や取引の停止などの規定を持っていますか?」についても、NDPE方針に違反した場合に是正措置をとることが明記されているかどうかを確認し、判断しております。
*過去の企業格付けは以下よりご覧いただけます。
- ●2024年の企業格付けはこちら
- ●2023年の企業格付けはこちら
- ●2022年の企業格付けはこちら
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