パーム油関連各社の対応状況(2023年度版)

企業格付けは、プランテーション・ウォッチが各社のパーム油問題への対応状況を評価したものです。

評価の内容は、2016年より実施しているアンケート調査の結果に基づいています。日本のパーム油利用の8割を占めている食品業界を中心に、それぞれの業界における売上上位の企業をアンケート調査の対象としています。

2024年1月に実施したアンケート調査では、110社にアンケート用紙を送付し、このうち46社から回答が得られました。(うち3社についてはパーム油を利用していないとの回答があったため評価の対象外としています。)残りの64社からは、残念ながら回答はありませんでした。

以下より、8つの業界(お菓子会社、インスタント食品会社、食料品販売会社、パン・マーガリン会社、外食サービス会社、日用品 会社、油脂 会社、総合商社 )ごとの企業格付けをご覧いただけます。

お菓子会社編へ

インスタント食品会社編へ

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油脂会社編へ

総合商社編へ

 

*すべての業界を含む格付け評価の一覧はこちらよりご覧いただけます。

総評

今回、一社がNDPE方針の実施状況の独立検証による十分な確認ができているとする「Aー評価」を初めて取得しました。

また、環境・社会問題に対処するためのグローバル・スタンダードであるNDPE方針を採用していると回答した企業は、前年度から新たに一社が増えて22社(全体の20%)となりましたが、ミルリスト(搾油工場リスト)を公表していると回答した企業は前年度と変わらず9社(全体の8%)と、昨年度からほとんど進捗が見られない結果となりました。一方で、小売業界、外食産業、製パン業界については回答率が著しく低く(それぞれ26社中3社、19社中2社、7社中1社)、パーム油の環境社会問題に対する意識の低さを露呈するものとなりました。

不二製油グループ本社による「A−評価」は、パーム油の環境社会リスクに適切に対処し、改善していくための「体制」が整備されていることを意味します。これは環境社会問題の改善に向けた通過点であり、この体制の下での実施状況が課題になります。その他、RSPO加盟企業に対しては「ミルリストの作成・開示」を求めます。2018年の第15回年次総会にて、サプライチェーン関連企業によるミルリストの開示が義務づけられましたが、今回の調査においてミルリストを公表していると回答した企業は9社(全体の8%)のみにとどまっています。

また「日本のパーム油使用量トップ20企業」において、パーム油利用量全体に占める認証油(ブック・アンド・クレーム方式を除く)の割合が著しく低いにもかかわらず、RSPO認証油の利用を喧伝している企業が見られます。消費者に対して誤った認識を与えかねないため、適切な情報開示とともに、責任ある調達に向けた取り組みを進めることを期待します。

パーム油使用量TOP20,2023年

*過去の企業格付けは以下よりご覧いただけます。