私は、忍耐強い人は神様に愛されるという親からの助言をいつも信じています。そして私は、神様はポピーをとても愛していると信じています。

「森の学校」でよく泣いたり眠ったりしていたオランウータンの赤ちゃんが、いまではオランウータンのリハビリセンターで私たちの誇りとなっているなんて誰が想像したでしょうか。ミルクを飲むたびに咳き込んだり、食べるものを選んだりしていたオランウータンの赤ちゃんが、いまでは森の中で食べ物を探すのがとても上手になっています。木に登ることができなかった赤ちゃんが、いまでは垂れ下がった根っこを使いながら活発に木の上を移動しています。これまでベビーシッターから決して離れることがなかった赤ちゃんが、いまでは自立しているように見えます。

2歳を迎えてからポピーは才能を見せるようになりました。母親は喜び、子供が成し遂げたことを見て誇りに思うでしょう。ポピーが木に高く登り、そこで見つけた果物を夢中になって食べる姿を見ると自然に涙が流れます。

私が森の学校にいるのは、ポピーが待っていることではありません。私が来るのをポピーが見ても、上から見ているだけでしょう。呼ばれても木から降りて来ることはないでしょう。その視線は、「お母さん、僕はもう大きくなったよ。もう木に登るのも、移動するのも怖くないよ。今日はとても美味しい花を見つけたよ。」と言っているように見えます。

私の心の中には悲しさと同時に、誇らしさがあります。そして少しだけ安堵の気持ちも感じられます。ポピーをお世話する中での忍耐は、いまでは心地よさに変わっています。今ではもうポピーを心配する必要がないからです。彼は素晴らしい赤ちゃんであり、毎月森の学校の報告を見るたびに誇らしく思います。

原文はこちら(英語/インドネシア語)
http://orangutanprotection.com/2018/10/kesabaran-itu-berbuah-manis/

訳:熱帯林行動ネットワーク